ある女性の自己破産体験談を紹介します。
京都府N市に住んでいた平野貴子さん(仮名)のケースです。
一般企業に就職した女性が、自己破産をすることになった経緯をご覧ください。
平野貴子さんが自己破産に至るまでの経緯
普通に就職し、普通に暮らしていた平野貴子さん。
どのような経緯で自己破産しなければならなくなっていったのでしょう。
平野貴子さんの自己破産体験談をご紹介します。
突然の病による収入減
平野貴子さんは当時23歳。
短期大学を卒業して、一般企業に就職をしました。
就職に際しては、正社員で就職することができず、日給月給の契約社員の扱いとなっていました。
正社員での就職は叶わなかったものの、平野貴子さんは、新社会人として、忙しく新鮮な毎日を過ごしていました。
ところが、順調に過ごしていると思われた日常は崩れてしまいました。
めまぐるしい毎日に、いつしかノイローゼ気味となってしまったのです。
新社会人としての忙しく慣れない日々がストレスになっていたようです。
会社も休みがちになっていきました。
平野貴子さんは、日給月給の契約社員のため、欠勤すると給与に反映されません。
受け取れる給与も少なくなり、生活費にも困窮するようになっていきました。
キャッシングをはじめた
まず手を付けてしまったのがキャッシングです。
足りない生活費をキャッシングで補うようになりました。
キャッシングを繰り返すようになり、次第に生活も乱れていったのでした。
月々の返済も、返したり返さなかったりしました。
2年ほどもすると、いつのまにか300万円もの借金を抱えてしまっていたのです。
催告書・督促状を放置
催告書や督促状が郵送されてくるようになりましたが、気にも留めませんでした。
督促状を送ってくるクレジット会社へ、
「しっかり対応しなければ」
という意識ももたず、対応を怠っていました。
すると、督促の電話が会社にまでかかってくるようになり、借金のことが会社の知るところとなってしまいました。
平野貴子さんは、会社に居づらくなり、退職せざるを得なくなったのです。
債務整理の相談を決意
失業した平野貴子さんは、実家に戻るしかありませんでした。
そして、
「借金をこのまま放置してはいけない」
「借金をなんとかしたい」
と考えるようになっていました。
しかし、平野貴子さんの病気はなかなか上向かず、思いとは裏腹に行動は思い通りにいかず、焦りも感じていました。
借金を少しずつ返済していきたいと考えていたものの、ノイローゼという精神的な病のこともあって、すぐに就職して安定した収入を得られる見通しを立てることができずにいたからです。
「どのように借金を返済していくべきか」
思い悩む毎日が、更に精神的な負担となっていきました。
悩んだ平野貴子さんは、母親のアドバイスもあり、債務整理について弁護士に相談できるという無料相談へ出向くことにしました。
平野貴子さんには自己破産が最適
相談の席で平野貴子さんは弁護士に対して、
- 借金を背負うことになった事情
- 自分の精神的な病のこと
- 再就職できていない現状
について正直に伝えました。
その上で、少しずつでも債権者に返済していきたいという希望を伝えました。
すると、弁護士から、
就職の見込みがたたない今の状態では、3年程度を目安に分割返済を続けていく任意整理手続を選択することは難しい
と伝えられました。
同時に、平野貴子さんの現状では、自己破産することが最適な債務整理方法であることがが伝えられたのです。
借金の任意整理とはどんな手続?わかりやすく見る完済までの流れ
自己破産で借金がゼロに
平野貴子さんは、弁護士の助言を受け入れ、自己破産による債務整理をする決断をしました。
裁判所に納付する自己破産の申立費用と、弁護士に支払う弁護士費用については、父親が援助してくれることになりました。
自己破産申立書を作成するため、弁護士と何度も打ち合わせが必要でした。
弁護士から指示された通りに、自己破産の必要書類を揃えるのにも苦労しました。
そんな平野貴子さんでしたが、無事、自己破産申し立て手続きをすることができたのでした。
自分名義の財産はほとんどなかったため、同時廃止手続きでの自己破産となりました。
無事に免責決定も下りた平野貴子さんは、借金をゼロにすることができました。
自己破産手続きが終了し、免責決定も確定して借金の支払義務は免除されました。
自己破産後に体験した生活の変化
平野貴子さんは、自己破産したことで経済的な悩みから解放されました。
借金問題が解決したことで、平野貴子さんは、精神的にも前向きになることができるようになっていました。
周囲の励ましもあって、ノイローゼの治療にも専念できたため、次は再就職を目標にして活動をしていたところ、まもなく希望する就職先が見付かり、念願の再就職が叶ったのです。
自己破産後すぐはローンが組めない
再就職先の就業場所は公共交通機関がととのっているとは言い難い地方にありました。
そのため、いつしか、マイカー通勤したいという希望を持つようになりました。
そこで平野貴子さんは、自動車をローンで購入しようと考えました。
自己破産はしたけれど、免責決定も下りて借金はゼロになったので、新たな経済活動を再開しても差し支えないと考えていたのです。
ところが、自己破産手続を依頼した弁護士に、近況報告を兼ねて、自動車をローンで購入するつもりだと報告したところ、意外な答えが返ってきました。
弁護士の答えは、
『ローンでの買い物はまだできない』
というものでした。
ブラックリストに登録された
自己破産すると、5年~7年間、信用情報機関に事故情報が登録されることになっています。
いわゆるブラックリストです。
ローンやクレジットカードの申し込みをすると、ローン会社やクレジットカード会社は、信用情報機関に対して、申込者の信用状態について照会をすることになっていいます。
ブラックリストに載る(事故情報が登録されている)と、ローンなどの申し込みは受け付けられない仕組みです。
申込者は、事故情報が信用情報機関に登録されている間は、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることはできません。
平野貴子さんは、自己破産で借金をゼロにすることができ、経済的にも精神的にも前向きに生活することができていて、自己破産手続の恩恵を充分に得ることができています。
しかし、自動車をローンで購入しようという希望は、まだまだ叶わないのでした。
自己破産の相談窓口
日々忙しく、借金問題の相談に出向けない方でも、無料でメール相談を受け付けしている法律事務所もあります。
借金の悩みは放置せず、早めに相談するのが良策。
東京ロータス法律事務所なら、匿名相談が可能です。
是非利用してみましょう。