多重債務に陥る原因
多重債務とは、複数の貸金業者から自分の返済能力を超える借金をしてしまうことです。
多重債務の原因は、日常の中に隠れています。
「この1回限り」
「すぐ返す」
と思ってした借金が、多重債務に陥る原因になることさえあります。
最初は一口だけの借金でも、次第に借金を返すために借金を繰り返すという自転車操業に陥り、借金の返済が困難となって多重債務に陥ります。
- 生活費の不足
- 給料の減少
- 失業
- 病気
- 教育資金のため
- 住宅購入
- ギャンブル
- 交際費
- 他人の保証人になった
多重債務の原因は様々ですが、これらの誰にでも起こりうる事情が最初のきっかけとなることが多いです。
多重債務の原因はクレジットカード?
簡単にお金を借りることのできる(キャッシングができる)カードには、ここ数年利用者が増加してきているものとして、銀行が消費者向けに行っているカードローンがあります。
その他には、定番のものとして、貸金業者のキャッシングカードや、普段はショッピングに利用しているクレジットカードが挙げられます。
特に、クレジットカードは、私たちの暮らしにはなくてはならないアイテムの一つとも言えます。
クレジットカードを持つことで日常生活の利便性が格段に向上することは確かで、クレジットカードを持っていないという人はほとんどいないのが現状です。
現に、2019年3月末のクレジットカード発行枚数は2億8,394万枚にも上り、20歳以上の成人一人あたり2.7枚保有していることになるということです(参考:一般社団法人日本クレジット協会)。
また、貸金業者のサービスを利用している20歳以上の成人は1083万人以上もいる(2019年3月末時点)との統計もあります(参考:日本貸金業協会)。
生活の利便性が向上する一方で、これらカード利用者の増加が、多重債務者急増の原因の一つにもなっています。
多重債務者の多くは、これらのカードを使ってキャッシングを繰り返すため、自転車操業に陥ってしまいます。
窓口に行く必要もなく、ATMで簡単にお金を手にできることから、借金をしているという感覚が薄れてしまうのも一因でしょう。
また、クレジットカードのキャッシングは担保や保証人を必要としないことも、お金を借りることへのハードルを低くしていると言えます。
総量規制の対象と例外とは?クレジットカードのキャッシングはどうなる
カードの利用で多重債務に陥らないためには、
- 無計画なキャッシングをしない
- クレジットカードを多く持ちすぎない
- 家計簿で収支を把握する
などを心がけることが大切です。
多重債務の原因を招くクレジットカードのリボ払い
クレジットカードのキャッシングの返済方法には、
- 一括払い
- 分割払い
- リボ払い
- ボーナス一括払い
- ボーナス併用払い
があります。
なかでも、クレジットカードのリボ払いは、返済期間が長期化しやすく、多重債務の原因になりやすいと言われています。
リボ払いは、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方式で、月々の支払いを比較的少額に設定できます。
そのため、返済額を負担しているという実感がわきにくいということがあり、安易にキャッシングを繰り返してしまい、気がついたときには多額の借金を抱えていたということも少なくありません。
また、リボ払いの支払いは、支払残高がなくなるまで続き、且つ、残高に応じた金利もかかるので、負債総額が知らない間に増加して、返済期間の長期化につながってしまいます。
リボ払いは、利用明細書によって支払残高や手数料をしっかりと確認し、自分自身の収入に応じた計画的な利用をする必要があります。
多重債務の原因と状態を放置しない
借金を返すためにクレジットカードでのキャッシングを繰り返してしまう経済状態になってしまったら、できるだけ早く弁護士等への債務整理相談を視野に入れましょう。
借金問題は一人で抱え込んで悩んでいても改善していくことはありません。
多重債務の原因を取り除かなければ、悩んでいる間も、利息が利息を呼び借金の額は増加するばかりです。
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
多重債務の原因とその状態を放置せず、いずれかの債務整理方法で経済的な生活の建て直しをはじめましょう。
弁護士等のアドバイスを受け、自分の事情に合った最適な債務整理方法を選択することが大切です。