特定調停とは
特定調停は、借金の支払いを続けることが困難となった債務者(個人・法人を問わない)が、経済的に再生できるように、簡易裁判所が、債権者との間に立って、利害関係の調整を行う目的で、民事調停の特例として設けられた手続きです。
特定調停が申立られると、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会が構成され、紛争解決にあたります。
調停委員会は、調停期日の中で、
- 生活状況や収入状況
- 今後の返済方針
などを債務者(申立人)から事情聴取します。
そして、債権者(相手方)の意向も聴いた上で、残っている債務をどのように支払っていくのが、当事者双方にとって経済的に合理的なのかを調整していきます。
特定調停手続の簡単な流れ
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1特定調停の申立
受付に調停申立書を提出
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2調停期日
申立人と相手方から意向を聴取し、残債務の確定、返済計画の検討を行う
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3調停成立
合意に達した場合、調停調書を作成
債権者が出頭しないとき
大抵の場合、債権者(相手方)は調停期日に出頭しないことが多いようです。
債権者(相手方)が出頭しないときは、調停委員会が、債権者(相手方)と電話で、合意を得られるよう調整を行っていきます。
特定調停の運用基準
裁判所により運用基準は異なりますが、
という弁済計画を立てて紛争解決を図るのが通例となっているようです。
合意に達したとき
話し合いによって双方が合意に達したら、調停成立です。裁判所は、合意内容を記載した「調停調書」を作成し、双方に交付します。
そして、債務者は、調停調書記載の通り、返済をしていくことになります。
調停調書は、判決と同じ効力を持つ「債務名義」です。万一、調停調書に従った返済が行われない場合は、強制執行を受けることもあります。
相手方不出頭で合意したとき
合意に達した場合でも、債権者(相手方)が不出頭であるときには、調停調書ではなく、「調停に代わる決定」がなされます。
合意に達しないとき
双方が折り合わない場合は、調停不成立となります。
しかし、裁判所が相当と考える弁済計画を、「調停に代わる決定」(17条決定)という特定調停が成立したのと同様の効力をもつ決定をすることによって、事件を解決させることが多く行われています。
「調停に代わる決定」に対して異議がある場合は、2週間以内に異議申立する必要があります。
異議の申立があると、調停に代わる決定は効力を失います。
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