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過払い金の回収が困難になっていく理由

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過払い金回収

過払い金の回収が困難になっていく理由

過払い金の回収は、過払い金請求が遅くなるほど難しくなっていきます。

そこには、

  • 過払い金返還請求権の消滅時効
  • 貸金業者の経営破綻

これら2つの問題があるからです。

過払い金返還請求権の消滅時効

過払い金の回収が困難になる理由の一つに、過払い金返還請求権が時効を迎えていくという現状があります。

過払い金発生の温床となっていたグレーゾーン金利は、平成22年(2010年)6月18日に出資法の上限金利が利息制限法の水準の20%に引き下げられたことで廃止されました。

しかし、それ以前の平成18年に、最高裁で、同じく温床となっていたみなし弁済の成立を否定した判決が出されて以降、大手の貸金業者は、以後、過払い金が発生しないようにと、グレーゾーン金利を設定しないようになっていきました。

大手の貸金業者は、先を見越して、平成19年(2007年)頃には、金利を引き下げ、グレーゾーン金利での貸し付けを止めていったのです。

つまり、大手貸金業者との取引の場合、グレーゾーン金利の取引は、平成19年(2007年)頃迄であると考えられます。

過払い金の発生は、グレーゾーン金利の取引があることが前提ですから、過払い金が発生する可能性のある取引は、グレーゾーン金利での最終取引年である平成19年頃までの取引と言うことができます。

例えば、グレーゾーン金利で平成19年から借り始め、同年中に完済したという短い取引を仮定すると、完済から10年である平成29年には、過払い金返還請求権が時効を迎えてしまうことになります。

過払い金請求の時効は完済から10年ですが、平成19年から10年が経過する現在、すでに完済して時効が迫りつつある取引も多いと予想されます。

過払い金が発生していたとしても、返還請求手続の着手が遅いと、時効が成立してしまいかねない現状があります。

貸金業者の経営破たん

過払い金の回収が困難になる理由は、もう一つあります。

大手の消費者金融であった武富士が経営破たんしたように、他の消費者金融も経営破綻しないとも限りません。

最近では、貸金業者と過払い金返還の任意解決ができたとしても、実際に、過払い金が返還される時期は、3か月から6か月後となってしまう場合がほとんどです。

過払い金返還交渉がスムーズに進み、早期に和解が成立したにもかかわらず、実際に、過払い金が返還されたのは、和解成立月の10か月後であったという実例もあるほどです。

こんなに時間がかかっていたのでは、せっかく、任意の和解が成立しても、現実に返還を受けるまでの間に、貸金業者が経営破綻しないとも限りません。

しかしこれが、過払い金回収の現状です。

少しでも早く、一日でも早く

これが、過払い金返還請求に必要なことです。

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