自己破産による職業制限とは
自然人の破産者は、破産法以外の法令によって、公法上・私法上の資格を制限しているものがあります。
一般的な会社員などについては、自己破産をしても職業の制限はありません。
しかし、人の財産やお金を取り扱う職業については、一定の職業制限があり、その数は160種類以上とも言われます。
破産による職業制限に該当する場合、破産手続き中は、その職業を営むことができなくなったりします。
自己破産による職業制限として、よく知られているところでは、「士業」がそれに当たります。
具体的には、税理士・行政書士・司法書士・弁護士などです。
その他には、生命保険募集員・損害保険代理店・自動車運転代行業・宅地建物取引主任者・警備員などがあります。
また、後見人・後見監督人・保佐監督人・補助監督人・遺言執行者にもなれません。
職業制限を受ける期間
自己破産による職業制限は、一生、その職業や資格に就けなくなるということではありません。
職業制限を受ける期間は、破産手続開始決定から免責決定確定までの間です。
免責許可決定が確定して復権することができれば、自己破産による職業制限・資格制限はなくなります。
復権とは
自己破産による職業制限一覧
自己破産による職業制限の一部を一覧表にしたものがこちらです。
160種類以上もある自己破産の資格・職業制限の一部ではありますが、参考にしてみて下さい。
資格名 | 法令 |
---|---|
警備業者 | 警備業法第3条 |
警備員 | 警備業法第14条 |
生命保険募集人及び損害保険代理店 | 保険業法第279条・280条 |
行政書士 | 行政書士法第2条の2 |
司法書士 | 司法書士法第5条 |
司法修習生 | 司法修習生に関する規則17条 |
社会保険労務士 | 社会保険労務士法第5条 |
弁護士 | 弁護士法第7条 |
弁理士 | 弁理士法第8条 |
公証人 | 公証人法第14条 |
公認会計士・公認会計士補 | 公認会計士法第4条 |
信用金庫等の役員 | 信用金庫法第17条 |
商工会の役員 | 商工会法第32条 |
質屋 | 質屋営業法第3条 |
税理士 | 税理士法第4条 |
土地家屋調査士 | 土地家屋調査士法第5条 |
不動産鑑定士 | 不動産の鑑定評価に関する法律第16条 |
遺言執行者 | 民法1009条 |
後見人 | 民法847条 |
一般廃棄物処理業者 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条5項4号 |
産業廃棄物処理業者 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条5項2号 |
通関業 | 通関業法第6条 |
通関士 | 通関業法第32条 |
証券取引外務員 | 金融商品取引法第64条の二 |
宅地建物取引士 | 宅地建物取引業法18条 |
調教師・騎手 | 競馬法執行規則22条 |
競馬会馬主登録者 | 競馬法執行規則15条 |